先日、ビルドシートを破損させて交換する必要があったので、ガラスベッドを試し、その結果が良好だったので記事にしました。
※2016/12/6追記
ガラスベットについて更なる改良を検討中の為、後日別の記事を掲載予定です。
まず、ガラスベッドを使用して感じたメリット・デメリットです。
メリット
- 造形物が取り外しし易い
- 水平出しがし易い
メリット1.は、ABSとヒートベッドを使用時に限る可能性がありますが、樹脂とガラスの熱膨張率の差によって、簡単に取り外せます。まるで造形物を、最初からプラットフォームに置いただけのように、持ち上げることができます。もちろん、プラットフォームがそれなりに冷えている必要があります。
メリット2.は、水平出しの反応がよくなったと思います。遊びがなくなった感じです。
デメリット
- スティックのりが必要
- フィラメントとの相性によっては使用できない可能性
- 造形の毎にネジの緩みの確認が必要
デメリット1.は、ガラスの表面がツルツルの為、フィラメントが定着ができなくなるための対策です。トンボ鉛筆 スティック糊 シワなしピットNパック HCA-123 【5セット】を、造形開始前に軽く塗ることで使用しています。
デメリット2.は、純正のビルドシートを使用していても起こる可能性はありますが、金属や木材を塗り込んだPLA樹脂とは相性が悪いものがあると思われます。
デメリット3.は、造形中の振動で、留め具のネジが緩みます。そのため造形ごとに締りを確認する必要があります。留め具をダブルクリップにすることでこの問題は解決できますが、その場合ダブルクリップの出っ張りに気を付ける必要があります。
必要な物を下記に記載します。
- ガラス板を止める留め具x4個
- ガラス板
- 蝶ナットM3x4個
- M3ワッシャー
- 糊はがし
- はがしヘラ
- ネジ止め剤
1.については、3Dプリンタで造形可能なものです。ガラス留め具Autodesk 123D Design形式のファイルになります。充填率30%で出力してください。
2.についてはガラス板を注文する必要があります。コーワガラス・カガミ自動販売機を利用しています。
注文内容は、透明ガラス、縦: 160ミリ 横: 237ミリ 厚さ: 3ミリ 形状: 四角形 エッジ処理: 角磨き仕上げで、1枚777円 送料864円でした。
3.と4.はホームセンターにて購入します。蝶ナットは、手で回すことができるように、ナットに取っ手がついています。
5.6.は、貼り付けてあるビルドシートを剝がしたときに残る糊を除去するのに使います。
交換方法について
- プラットフォームを30℃ぐらいで予熱して、糊を剥がしやすくします。
- 青いビルドシートの端を掴み、剥がします。かなり強力に接着しているので慎重に剥がす必要があります。
- 白いものがついている場合は、粘着シートが残っていますで、白い部分に糊はがしを塗布します。注意点としては、電子基板がむき出しの箇所もあるため、黒いアルミ板から出ないことと、垂らさないように気を付ける必要があります。
- 塗布後しばらく置き、ヘラで塗布した糊の部分を剥がします。
- 剥がした後、アルコールウエットティッシュなどで残りをふき取ります。
- ガラス留め具、ワッシャー、蝶ナットの順番にプラットフォームの4隅のネジの位置に軽く取り付けます。
- ガラスを置いて、位置を調整後蝶ナットのネジを、左上・右下・右上・左下と対角線の順番に締めていきます。
- 全てのストッパーの辺とガラスの辺との間に隙間がないようになっていることを確認します。
- 一つだけネジを緩め、ねじ止め剤を塗り締めなおします。これをすべてのネジに行います。
これで、ガラスベッドの設置は完了です。
水平出しを行う前に、水平出し用のネジを調整して、ノズルとガラスベッドの隙間を大きく取り、水平出しを行います。
そして、スティックのりを塗布して、留め具を再度造形します。ズレなどなく出力できれば設置は完了です。
スティックのりは、毎回塗る必要はありません。糊を落とすのもガラスベッドを温めて、ウエットティッシュなどで拭けば取れます。